【カルジェリストインタビューVol.4】木下美穂里さん/美容家 木下ユミ・メークアップ&ネイル アトリエ校長 ネイルサロン ラ・クローヌ代表

卓越した技術と抜群のトレンド感覚で絶大な支持を集める、人気ネイルサロンのカルジェリストにインタビュー!今回は、日本を代表するビューティーの名門校、「木下ユミ・メークアップ&ネイル アトリエ」の校長で、ネイルサロン ラ・クローヌ代表の木下美穂里さんが登場。スクールの運営者として、そして一流のメイクアップ&ネイルアーティストとして活躍されている木下さんが語る、ネイル業界の今、そしてこれからとは。トップネイリストに必要な心構えや、これからネイリストを志す人に向けたメッセージまでお見逃しなく。

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ネイルのトレンド・ネイルカラーについて

現在のネイルトレンドについてお聞かせください。

kinoshita
ネイル業界全体でいま、カラーやデザインを推し出していくよりも、「お客様の指先ケア」に対して意識が向いています。お客様の趣向感として、「自爪を痛めず、美しく育ていきたい」「自分の爪をより美しく見せたい」という考えが強くなっているからです。特にカルジェルを選ばれるお客様は、ご自身の爪の状態を気にかけていらっしゃる方が多いですね。私達のサロンでも、メニューを選択する際に「ウォーターケアをしっかりして、その仕上げにカルジェルでカラー&コーティングしたい」というオーダーをよく受けます。ネイルキャリアが長いお客様は特に、ご自分のお爪が健康的である事をこだわられます。又、美しいネイルを保つことで気分が高揚する、仕事のモチベーションがあがるなど、ネイルとメンタルとの結びつきを実感され、ビューティ&ヘルスとしてネイルをされる方が増えていますね。

爪の美しさを求めるお客様の中で、これからトレンドになりそうなデザインやカラーはありますか?

kinoshita
以前はグラデーションや様々なモチーフを施したデザインなど、少し凝ったデザインのネイルがトレンドでしたが、現在は自分の指先が綺麗に見える色や、ツヤなどの質感にこだわられる方が増えています。私たちが運営するサロンでも、ワンカラーデザインは人気ですね。今年の秋冬は「赤」がキーカラーとして登場していますが、質感や奥行きにこだわった赤が出ているのも特徴です。ただ、先ほども言ったように、ネイル業界全体で「トレンドワードを作らない」ことがトレンドになりつつあるので、全員が同じカラーやデザインを求める時代ではありません。トレンドワードがあるとしたら、「自分らしさ」や「自然体」。「自分だけのネイル」を求めている方が多いので、「トレンドネイルはこれです」と押し並べた提案ではなく、お客様らしさ・要望を汲み取ったデザイン・カラー提案が必要となる時代ですね。

プロネイリストを育てる木下ユミ・メークアップ&ネイル アトリエ

お客様の要望をきちんと理解し、提案できるネイリストになるために取り入れているトレーニングは何かありますか?

kinoshita
私たちのサロンとスクールでは、少しステップアップした、接客やカウンセリングトレーニングを行っています。お客様は視覚で判断するヴィジュアル系の人、音を大切にする感覚系の人、文字などの情報を得て判断する情報系の人など、個々のお客様に合わせて提案できる力が必要です。

技術だけでなく、高いカウンセリング力が要求される世界なんですね。

kinoshita
そうですね。弊社では、「技術はあって当たり前」と考えています。厳しい言い方をすると、きちんとネイリストとして稼げる人は、技術力以上のスキルを持っている人なんです。稼げるネイリストは、接客力、会話力、知識力、伝達力、社会常識…それら全てを身につけている人だと思います。プロとして魅力的である事は、そんな本物のプロである事。自分が良いステージで働きたいと思えば思うほど、お客様の層もハイレベルになっていきます。特にカルジェルは、他のジェルブランドに比べて良質な分、高価ですから、上質なものを求める、美に投資をしたいと考えるお客様がターゲットになります。そういったハイレベルな方々に対応できるだけの常識を、ネイリストは身につけないといけない。カルジェルを導入しているサロンは、ネイル業界にとって、これが適正なネイル価格であると思っています。ネイリストがこれだけ時間をかけて技術を習得し、そのスキルを発揮できる場所の対価が、安売りであってはいけないと思うんです。ネイリストの雇用を保証し、社会的な職業人としての立場と守る事、ネイル業界全体で、適正なお客さま単価をキープし、カルジェルを導入できるようなお店作り、そしてお客様に対しても上質なサービスを提供できるネイリスト教育が、お客様の為にも絶対に必要だと感じています。

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スクールでは、プロを目指す人たち以外に向けた初心者向けのカルジェルコースもありますが、そちらについてもお伺いできますでしょうか。

kinoshita
「自分のためだけにカルジェルを楽しみたい」という方のために、セルフネイルを気軽に体験できる「おけいこネイル教室」や、ネイリストの基礎資格である「JNECネイリスト技能検定3級」を取得できるコース、趣味でセルフネイルを極めたい方に向けた「おうちネイルコース」などを用意しています。カルジェルは爪に優しいとはいえ、間違った方法で施術を行えばもちろん爪を傷つけるリスクがあります。だから、きちんとしたスクールに通って、正しい知識と技術を身につけた上で、カルジェルを楽しんでもらいたいと思っています。中には初心者コースを体験したことで、プロのカルジェリストを目指すようになった方も大勢いますから!ネイルに興味を持って下さった方の人口がとても大切です。

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「東京ビューティコングレス(TBC)木下ユミ杯」

スクール&サロン以外に、毎年「東京ビューティコングレス(TBC)木下ユミ杯」も開催されていますが、どのような経緯で始められたのでしょうか?

kinoshita
2000年に「木下ユミ・メークアップ&ネイル アトリエ」が50周年を迎えたとき、ちょうどディズニーアンバサダーホテルが開業され、私の旧友が支配人を務めていました。そのご縁から、ディズニーのオフィシャルアンバサダー以外で初めて、ホテルを貸し切ってイベントを開催できることになり、それが「TBC木下ユミ杯」のはじまりでした。元々弊社は、創設者の木下ユミ先生が作ったアーティスト集団です。ユミ先生は「ヘアメークアップアーティスト」という言葉を作り、タレントの方のヘアメイクや、「イッセイミヤケ」「山本寛斎」といったファッションショーのヘアメイクを担当するなど、日本の広告やファッション業界、美容業界を牽引してきた存在です。キャリアの中で次第に弟子入りする方が何百人と増えたことから「学校を作って自分のノウハウを後輩に残したい」と考え、スクールを開校されました。その後、次世代を育成するには、学ぶ場だけでなく発表する場が必要であると考え、50周年のタイミングでコンテストを開催することにしたのです。

美容業界の中では、華やかで大規模なコンテストとして認知されていますが、運営にあたりどのような工夫をされていらっしゃるのでしょうか。

kinoshita
記憶と記録に残るイベントとして、がんばってますよ!参加頂く方には、「表彰式が感動的で、あの舞台に立ちたいから毎年参加しています」とよく言葉を頂きますね。以前、アメリカで美容コンテストに審査員として参加していた時、アメリカではコンテストの10分前までエントリーを受け付けていたりと、その自由さにすごく感動したんです。日本のコンテストは、手続きに手間がかかったり、参加資格が厳しかったり、少し窮屈に感じていたので「自分たちがコンテストを開催するときは、とにかく自由にやろう」と思っていました。だから、遅刻もOK(笑)。でもその代わりに競技時間は遅刻した分減ります。やる気のある方が会場まで来てくれたら、遅刻は自分のせいなので競技時間は減りますが参加はOKです! また、参加者も審査員も実行員も、全員が楽しめるコンテストにするために、音楽や演出など趣向を凝らしています。ネイル部門では、プロだけでなく美容学生も参加してくれています。卒業前のネイル検定試験と同じ内容を行っているので、試験のリハーサルとして参加してくれている子達も多いですよ。ジェルアート部門では、カルジェリストの方が多数参加してくれています。

美容の世界に入ったきっかけ

次に、キャリアについてもお伺いしたいのですが、木下さんが美容の世界に入ったキッカケは何だったのでしょうか。

kinoshita
私は母の影響で、高校一年生の時から週末に、TVスタジオで先輩達のアシストをするアルバイトをしていました。ヘアメイクの際に使う道具などを運ぶ仕事でした。そこで撮影の様子を直に見て、段々と美容の世界に興味を抱くようになりました。ただ、高校を卒業するときには同じ世界の中のカメラとデザインに興味を持ち写真とデザインが学べる大学に入学したんです。カメラマンを志しており、卒業時には外資系の広告代理店に就職も決まっていたのですが、母が病にたおれた事もあり、美容の世界に入りました。

カメラマンの道を諦め美容の世界に入り、その後どのような経緯でネイリストとしてデビューされたのでしょうか?

kinoshita
母の会社に就職した後は、メイクアップの仕事から始めました。私はすごく負けず嫌いな性格だったので「依頼された仕事は全部引き受ける!」という気持ちで仕事に没頭しましたね。撮影の仕事をしながら、特殊メイクに興味を持ち、2年ほど仕事をしながら夜間に、特殊メイクの先生のアトリエに通ったんです。そこで彫刻やデッザン、特殊メイクのパーツ作りや、実際に装飾するまでの技術などを学んだのですが、その中で、付け爪の材料である「アクリル樹脂」に出会ったのです。その後、「アクリル樹脂はアメリカが本場だよ」と言われて、NYからLAまで、アメリカの美容視察を行いました。その時にネイルチャンピオンだった男性に出会い「ネイルの技を教えて!」と、そのまま3日間イベントブースを手伝い、そのかわりにネイルを教わりました。その当時、日本ではネイルについて学べる環境がなかったので、その後も何度もアメリカに短期留学をして、ネイルの技術と知識を習得しました。その経験もあり、日本でネイリストとしてCMの撮影に呼ばれたりと、現在のキャリアを歩むようになりました。

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ネイルデザインのアイディアはどこから得ることが多いですか?

kinoshita
私は、空や海、花など、自然からインスパイアされるこが多いですね。あとは、コンサート会場の照明などからもアイディアが浮かぶことがあります。カメラをやっていたからか、その空気感を埋める音楽や照明、光がすごく好きで。そういったものからインスパイアされることが多いです。多くのアンテナを持ち、トレンドは自分が造る。人の1歩先へ、今を読みとる力と先を見る力、これを母から教わりました。

これまで多くのネイリストを指導してきたかと思いますが、ネイリストに向いている、向いていない資質は何かあると思いますか?

kinoshita
私は、ネイリストに必要な資質は特にないと思っています。ネイルが好きな人は、誰でもネイリストになれると思いますよ。器用じゃなくても、絵が描けなくても、好きであれば自ずと自分が変わっていきますから。ただ、前向きな考えができたり、コミュニケーション能力が高い方は、順応力が高いとは思いますね。

ネイリストがもう一歩自分を成長させるには?

ネイリストが自分をもう一歩成長させるためにすべきことは、何だと思いますか?

kinoshita
自分を成長させるためには、同業種に目を向けるのではなく、異業種から学ぶことをオススメします。様々なサービス業やwebサイトからなど、視野を広げる事を私もしています。目を向けるべきは広い外の世界、最高のサービスを提供している異業種にこそ、見習う部分はたくさんあると思いますし、そこでの学びが自分を成長させてくれると思いますね。

最後に、これからプロのネイリストを目指す方々に伝えたいアドバイスは何かありますでしょうか。

kinoshita
ネイリストを目指す人たちは9割近くが女性ですが、「手に職をつけたい」という想いを持つ方が非常に多いと思います。ネイリストは、結婚や子育てなど、ライフスタイルが変わっても、長く続けられる職業だと思います。実際に海外には、60歳を超えて現役で活躍されているネイリストはたくさんいます。またヨーロッパのあるブランドでは、40歳になるまで「プロのエデュケーター」とは呼べないといった認識があるほど、年齢を重ねることで熟練していく職業だとされています。海外の展示会で出会う50〜60代のネイリストたちは、圧倒的なカウンセリング力と職人技を持っていてカッコ良いですよ。だから若いネイリストに伝えたいのは、「5〜10年で一人前と思うなかれ」ということです。継続することが何よりも大事です。長く続け、極めることで、プロフェッショナルになってほしいと思います。

また、将来はサロンを経営したいという方も多くいらっしゃると思いますが、カルジェルサロンをオープンするのなら、「カルジェル」の良さを知るためにも他のジェルメーカーの勉強もした方が良いと思います。私は「カルジェル」は最高峰のジェルメーカーだと思っているので、自分のサロンでは「カルジェル」を導入していますが、それでもスタッフには「他のジェルブランドについて勉強しなさい」と言っています。「カルジェル」と他ブランドの違いや特徴を知ることで、表現できることが必ずあります。良いものだけを見るのではなく、多くを知ることです。自分の視野を広げることが一番大切だと思いますね。

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